境内(けいだい)の裏手に1本の大きなイチョウの木があります。
昭和25年のジェ-ン台風の時に二つに裂(さ)けてしまいましたが、その後見事によみがえり、毎年たくさんの実をつけます。
十月になると手がかぶれないようにゴム手袋をはめ、実を取り出して入念(にゅうねん)に洗います。
一週間ほど天日で乾かし、小さいビニ-ル袋に分け、報恩講(ほうおんこう)や元旦会(がんたんえ)の際に、参拝者の方に持って帰ってもらいます。
門徒(もんと)の皆さんから「お寺のぎんなん」と呼(よ)ばれ、とても好評で、いつもアッという間になくなってしまいます。
昨年大きく枝を払い、しばらくの間、実が実らないのが残念です。
本堂の釘隠(くぎかくし)には、
狭山藩の紋が使われており、
江戸時代には、当寺が狭山藩と
深いつながりがあったことを、
うかがわせます。
本堂を大修復した折り、2百年前の駕籠(かご)が見つかりました。
付属の品とともに 本堂の一角にあった箱に入れられており、
明治後半の罫紙(けいし)や地図類で丁寧に包まれ保護されていました。
日覆(ひお)いの毛氈(もうせん)が鮮やかな朱を保つなど 保存状態もとてもすばらしいです。
駕籠(かご)は黒塗りで、引き戸は黄色っぽい網代(あじろ)編み、かつぎ棒がついています。
内部には背もたれや脇息(きょうそく)も備えてあり、駕籠を担ぐものの「制服」だったとみられる木綿の紺の着物4着もありました。
前部には 仏教関係の装飾文様(もんよう)が取り付けられ、後部には寺紋(家紋)があったことから、寺の法務(ほうむ)に使われていたものと思われます。
本堂の 内陣のふすま絵を新しく、木村英輝画伯に描いていただきました。
木村英輝画伯は、親鸞聖人が得度を受けられた 京都の『青蓮院』のふすま絵を描かれた方なのです。
それはそれは 極楽浄土を ほううつさせる みごとな蓮の絵です。
画伯が西寳寺に来訪され 構想を練られました。
画伯曰く「本尊を中心として極楽浄土を表現した」とのこと。
『青蓮院』のふすま絵に匹敵する みごとな ふすま絵です。
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